チューニングと聞くとかなり難しく聞こえてしまう人も多いかと思います。また、ハイパフォーマンスなイメージに聞こえてしまう方がほとんどかと思いますが、ハーレーをギターに置き換えて簡単に説明したいと思います。
ギターを演奏する前に絃をチューナーで一定の基準値まで調整します。そして初めて演奏ができます。ハーレーも同じですよね!吸排気(エアクリーナー・マフラー)を交換した場合、車輌は吸排気が交換されて吸入空気量に変化が出ていることに気が付いていない為、吸入空気量を適正に合わせてあげなければいけません。
ATTRACT CUSTOMZではDynojetを使いチューナー(オペレーター)がチューニングを行います。Dynojetが勝手にチューニングしてくれるわけではありません。Dynojetであらゆる走行時のシチュエーションを作りマップを作っていきます。つまりチューナーの腕がかなり重要となってきます!インジェクション車両のハーレーを吸排気(エアクリーナー・マフラー)を変更し、チューニングを行わず走らせた場合エンジンの温度がかなり上がったり、アフターファイヤー(バックファイヤー)パンパンと音が出たり、ノッキングを起こしたりさまざまなトラブルの原因となります。
アフターファイヤーを人間の体で簡単に例えると、風邪をひいて咳(アフターファイヤー)が出てきました。咳をしたまま無理に走り続けたらどうなりますか?風邪で不調な体(高熱)で走り続けると、もっと体温が上がっちゃいますよね。そして肺炎になりうることも…最悪の場合死にいたることも…。
ハーレーも同じですよね!あなたのハーレーは大丈夫ですか?
※A/F:混合気中の酸素と燃料の比率のことで、燃料1gに対して酸素が何gか?というものです。 例えば理論空燃費14.68(ここでは14.6と表示します)の場合、燃料1gに対して酸素が14.6gの比率という事です。 数値が大きくなれば、混合気が薄くなっていることを示し、逆に数値が小さくなれば混合気が濃くなっていることを示します。
MAXパワー:72.59ps
MAXトルク:11.69kg-m
このグラフは、ストック96ciにエアークリーナの交換+2IN1マフラーへの交換後、ベースMAPのターゲットA/Fを13.0に設定後、マッピング無しでROLL ONテストをしたグラフです。フルノーマルの状態から考えれば、パワー、トルク共に上がっていますが、問題は下のA/Fのグラフ。ターゲットA/Fを13.0に設定したにも関わらず、実際の車両のA/Fは薄い方へずれています。これは吸気、排気を交換した為、吸排気の効率が上がりECM(コンピューター)が覚え込んでいる吸入空気量よりも実際多く空気が入っている事から、A/Fが薄くなっている状態です。4,000rpm付近では理論空燃費の14.6を超え、更に15.0を超える状態になっています。これはかなり危険な状態です。空燃費が薄くなるということは、燃焼速度の低下を引き起こし、シリンダーが燃焼時に熱を受ける面積が多くなってしまうため、最悪の場合はオーバーヒートにつながってしまいます。
MAXパワー:78.21ps
MAXトルク:12.32kg-m
このグラフは、先ほどの96ciのチューニング後のグラフです。パワー、トルク共にチューニング前を上回っています。それと同時に下のA/Fのグラフを見るとターゲットの13.0にほぼ沿っています。これはチューニングすることによって、吸排気を交換してずれていた吸入空気量(充填効率)が実際のエンジンに入ってくる吸入空気量と、ECMにプログラムされている吸入空気量が一致したことを意味します。またトルクグラフを見るとMAXトルクは0.6kg-m強の増加ですが、3,000rpm~4,500rpm付近のトルクは、先ほどのA/Fグラフで薄く振っていた部分が補正されたことにより、トルクが極端に上がったことがわかります。この回転域は街乗り、高速走行ともに最もよく使われる回転域のため、バイクの乗り味に最も関係する回転域でもあります。
MAXパワー:73.25ps
MAXトルク:11.94kg-m
このグラフは96ciストックエンジンの吸排気交換後、ベースMAPをインストールしただけのグラフです。
MAXパワー:95.88ps
MAXトルク:13.16kg-m
このグラフは96ciにTMANのトルクカム、社外エアークリーナ、バッサーニ2IN1マフラーの組み合わせでチューニングしたグラフです。 パワー、トルク共に大幅にアップしています。パワーに関しては20馬力以上アップ、トルクに関してはアップはもちろんですが、トルク特性が極端に変化しています。2,500rpm~6,000rpm弱まで12kg-mを保持。かなり乗り易い車両に変わっています。
MAXパワー:105.87ps
MAXトルク:15.41kg-m
仕様:SE ヘヴィーブリーザー・バッサーニ 2IN1 マフラー
MAXパワー:104.11ps
MAXトルク:15.02kg-m
仕様:SE ヘヴィーブリーザー・D&D 2IN1 ファットキャット
ここで紹介するのは、ストック96ciをATTRACT CUSTOMZ オリジナル107ci KITに変更したエンジンと、CVO110ciにTMANのトルクカムとの組み合わせのエンジンのチューニング後の比較グラフです。上記グラフでは107ciに軍配が上がっていますが、車両によっての多少の誤差もあるためほぼ同じような仕様のエンジンということがわかります。 乗り味もほぼ同じです。ATC107ci Kitはストックの88ci~103ciのエンジンを交換することなく既存のシリンダー、ヘッドを使用してボアアップする為、比較的コストも低くCVOと同じようなパフォーマンスを得られることが特徴です。
※88ciの場合クランクの4 3/8”への変更が必要になります。又、年式によってはヘッドの交換が必要になる場合もございます。
(チューニングモジュールの金額となります。)